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僕達が出したセレクションは 曖昧なOver pains day

11光年クエストと私

11光年クエスト

11光年クエスト

  • M.S.SProject
  • アニメ
  • ¥200

 11光年クエストを聴くたび胸を焦がすようになったのはSMT2018を終えてからである。それまでは、円盤リリース前後は昨年PEFで初めて生で見たWAKASAGIに心奪われており、そこからM.S.S.Phoenix(ベスト盤)の再録版との差異だとかを味わうので精一杯な状態で、初聴で十分に咀嚼することができず3月の横アリでの披露でもPEFのWAKASAGIほどの衝撃を受けることはなかった。
 SMT2018のOPアクトの冒頭が11光年クエストの1番部分であった。自分が入る日の前からレポや感想で11光年クエストやるらしい、という情報は洩れ伝っていたので、なるほど確かにMSSPの曲の中では比較的テンポ的に踊りやすそうだ(MSSP曲は基本的に踊るには速すぎる)、と納得していた。実際今回のOPアクトは11光年クエスト以外にも全体的に演出がとても好みだったのだが、だからこそその今すぐにでも円盤で何度も何度も脳内再生できるくらい覚えるまで延々リピりたいOPアクトの導入を担う11光年クエストにエモさが蓄積されていくのである。いわばパブロフの犬である。このイントロが流れたらあのステージが始まる、1番が終わったらハケていってしまう、音源を聴くだけで情景が脳内に蘇るほどあのアクティングが良かったのだ。
 11光年クエストはFB777ソロ曲扱いだったので、SMT2018のOPアクトで踊る、と聞いてソロ曲なのに?という疑問もあった。担当の欲目というものもあるのだが、OPアクトの振り付けもこれはFBセンターなのでは!?と思えるものだった。いやMSSPにセンターという概念はないのだが、それでも主人公のような、この人の世界に飲み込まれてしまうような、PEFでWAKASAGIを初めて生で見たときの感覚を再び味わうことができたのだ。この空間ではこの人が絶対神なのではないかという恐怖を抱かせてくる、という点では「主人公」という捉え方は適切ではないかもしれない(ストーリー上早々に拉致られる主人公ってどうなのよ)。ただ強烈な精神の一体感というか、視点を乗っ取られるような感覚が、世界の中心であるかのような錯覚を感じさせてくるのだろうか。いや推しだからだなこれは。もはや推しだからそう見えるのか、そう見えるから推しているのかよくわからない。引力がある。
 サビのコーラスをKIKKUNが担当している点もこの曲の好きなところである。そしてOPアクトでソロ曲なのに全員で踊っているというところがまた好きなのである。もしソロダンス演目だったとしたらここまでツボにはまっていなかったかもしれない。私の推しはFBだが、あのグループ4人の関係性が非常に魅力的でそこが好きなので、あくまで仲間といる推しを見たいのだ。思えばTAKATSU-KINGはあまり好きではないのだが元気魂のLOVE&KINGは楽しめた、ということもあった。まああれ正確にはKINGと他メンバーなので村上くんいないんですけどね。

 SMT2018のOPアクトで使われていなければ、ここまで中毒のように11光年クエストに魅了されることはなかったかもしれないわけで、多様な演出で楽曲を多面的にアピールしてくれるライブというのは非常に楽しい。同じ曲でも違うセトリなら見えるもの聴こえるもの感じるものも違うかもしれない。バンド形式とダンス演出でもまた感じ方は違うし、その見せ方の種類を多く持っているほど私は素晴らしいと思う。ここは見る人次第かもしれないが。
 何事もハマるときというものにはタイミングがあると思う。どこで触れるか・どのように触れるか、という楽曲のアプローチ法というものもあるが、自分自身の精神的な波、生活環境、その他諸々、それまでただ知っている状態のコンテンツでもあるとき突然ガチッとハマることもあるはずだ。知っているもの、良いと感じるもの、好きなものが増えることは楽しい。きっとこれから来るだろうというそのタイミングを待つために、常にいろいろなものに触れて、種をまいておくことも大事かもしれない。